PremiereProのカラーコレクション/カラーグレーディングの記事の中で、RGBカーブに触れました。
本記事では、RGBカーブと同パネル内にある「色相/彩度カーブ」がどのような処理を返すか?の補足記事になります。
Lumetriカラーを使った、色補正/カラーグレーディングについての記事はこちらになります↓
環境
OS:Windows11
Software:Adobe PremierePro v25.2.1
映像素材:Adobe Stock
参考リンク
Adobe公式「RGBおよび色相/彩度カーブを使用したカラーの調整」
https://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/using/adjust-color-rgb-hsl-curves.html
色相vs彩度
任意の色相にポイントを付け、曲線にすることで、対象色相の彩度を変更できます。
変更を加えたい部分をスポイトツールで吸うと、該当色相を自動判断してくれます。
下図では、スーツの部分をスポイトツールで抽出し、彩度を上げました。

下図は、カーブ適用前(左側)と色相vs彩度の適用後(右側)の比較です。
スーツの鮮やかさが高くなったのが分かります。

色相vs色相
特定の色相を別の色相に変える事ができます。
下図では、青みの色相を黄~緑の色相に変更しています。
色相を変更したい時は、ポイントを上下すると色相ガイドが表示されます。表示された色相に沿って、カーブを作成してください。

下図は、カーブ適用前(左側)と色相vs色相の適用後(右側)の比較です。

色相vs輝度
特定の色相の明るさを増減できるカーブです。
色相vs彩度と似ていますが、色相vs彩度では「鮮やかさ」を調整します。一方で、色相vs輝度は「明るさ」を調整するカーブで、それぞれ、異なる結果が生まれます。
「色相vs彩度」と「色相vs輝度」の比較をしてみます。
下図のように、ぱっと見、同じようなカーブを付けてみます。

すると、このような結果が返ってきました↓
色相vs彩度(左側)、色相vs輝度(右側)

色相vs彩度では、無彩色からどれくらい鮮やかにするか?を調整するため、映像自体の明るさには影響せず、彩度を下げれば白黒になります。
一方で、色相vs輝度は、特定の色相に対しての光の明るさを調整することができ、色彩で言うところの明度に近いニュアンスで調整することができます。
輝度vs彩度
輝度をベースとして、特定の範囲の彩度を調整できます。

カーブ適用前(左側)、輝度vs彩度の適用後(右側)の比較↓

顔にあたった光の部分の彩度が、僅かに抑えられています。
明るい部分の彩度を極端に下げると、このように無彩色に近づいてきます。

彩度vs彩度
特定の彩度に対して、彩度を変更できます。
分かりにくいですよね(笑)非常に分かりにくい!
色相と輝度でも似たようなカーブがありました。
彩度vs彩度は、映像内における特定の鮮やかさのレベルに対して、一括で彩度の変更を加えるカーブです。
特定の色相や、特定の明るさに対してではなく、特定の彩度に対して処理を加えます。
例として、このようなカーブを付けてみます。
(スーツの彩度をスポイトで抽出しました。)

こちらは、カーブ適用前(左側)と彩度vs彩度の適用後(右側)です。

指定した彩度レベル以外の部分には影響を及ぼさずに、任意の彩度を調整できました。
素材を変えて比較をしてみます。
左から「元素材」、中央「彩度vs彩度」、右「RGBカーブ」の比較になります。

下図は、左側が「彩度vs彩度のカーブ」、右側が「RGBカーブ」の設定です。

彩度vs彩度では、変更を加えたい部分以外への影響が抑えられています。
(空の彩度を上げて、地面の彩度をやや低くするようなカーブを作成)
一方のRGBカーブでは、R・G・B全体を操作してバランスをとることに優れているのが見て取れます。
彩度vs彩度は、映像内の彩度が高すぎる(もしくは低すぎる)パーツを、他に影響を与えることなく操作したい時に有効だと感じます。
さいごに
色相/彩度カーブは、名称から機能が連想し難く、似たようなカーブが多いので直感的に扱えるツールではないと感じますが、覚えておくと良い事があるかも!です(笑)
各名称もこのように言い換えると、少しは連想し易くなる・・かも
色相vs彩度 ⇒ 色相から彩度を操る
色相vs色相 ⇒ 色相から色相を操る
色相vs輝度 ⇒ 色相から輝度を操る
輝度vs彩度 ⇒ 輝度から彩度を操る
彩度vs彩度 ⇒ 彩度から彩度を操る
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