【PremierePro】ローパスを使ったBGMのフェードアウト

今まで、BGMの切り替えやフェードアウトには、クロスフェードなど単純に音量を徐々に下げていくという手法をとっていました。
これだけでも不満はありませんが、もっと違う手法もないかな?表現の引き出しを広げたい!と検索をしていたところ、面白い記事を発見しました。

ノイズリダクションで愛用しているClarity Vxを提供している、wavesのブログ記事です。
https://www.waves.com/mix-front-to-back

この記事では、音の奥行き・深さについて解剖をしてく内容が記載されています。
その中でも、「音が遠ざかるにつれて、高周波数は減少する」という文面にヒントを得ました。
↓原文

As a sound gets further away, its frequency profile changes, with high frequencies getting reduced thanks to both air absorption and more directivity at the source. Instruments that are far away start to lose their clarity and presence for this reason. Put simply: a gentle low-pass filter lends a sense of distance to a channel, and a lower cutoff frequency makes for a further-away feel.

ミックスについての記事ではありますが、高周波を下げていくことでいつもと違った雰囲気を持つフェードアウトが表現できるのではないか?

高周波を下げるには、ローパス。低周波を下げるにはハイパス。Premiere Proには既にローパスもハイパスもエフェクトが内包されており、簡単に実装することができるので、試してみる価値はある!

という流れで、新しい表現の探索をしてみました。

【関連記事】
PremiereProでのクロスフェードやフェードはバージョンアップにより、直感的に扱うことができるようになっています。
本記事で取り上げるローパスとは関係ありませんが、ぜひ、こちらの記事もご参考になりましたら嬉しいです。

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環境

OS:Windows11
Software:Adobe Premiere Pro v25.1

ローパスを使ったBGMのフェードアウトを作る方法

PremiereProのシーケンスにBGMを挿入し、フェードアウトを始めるタイムラインでオーディオをカットします。

カットしたオーディオトラックに エフェクト > フィルターとイコライザ > ローパス を適用します。

エフェクトコントロールパネルで、ローパスの「カットオフ」にアニメーションキーフレームを打っていきます。
フェードが始まるタイミングは高いHz、アウトポイントでは低いHzを設定します。

ローパスを通すことで、クリアな音が籠った音に変化し徐々にフェードアウトしていきます。
単純な音量を下げていく方法と比べると、「広がりが一点に集約されるように消えていく」そんな印象を受けます。

ローパスを適用することで、各周波数がどのように変化していくか見て見ましょう!

ローパスによる波形の変化

エフェクトの名前の通り、低周波を通して、高周波を抑え込む効果があります。
ローパスが効いていない時と、効いている時では音の波形に如実に表れますので、可視化していきたいと思います!

まず、ローパスを掛けていない時の波形がこちらになります。
低周波も高周波もどちらも解放されており、クリアに聞こえる状態です。

続いて、ローパスを適用した時の波形はこちらになります。
高周波が抑えられ、低周波の音が聞こえる状態です。音の質も籠っていきます。

※ローパスとは反対に、ハイパスは、低周波が抑えられ、高周波を聞こえるようにするエフェクトになります。

ローパスを使ったクロスフェード

先ほど綴ったローパスのフェードアウトを少し応用して、クロスフェードを作ってみました。
場面転換に使える技だと思いますので、是非ご活用ください!

ローパスのフェードアウトを作るところまでは、上記の作業と同じです。
切り替えたいBGMをフェードインのタイミングでカットします。

カットしたオーディオクリップに「ローパス」を適用し、フェードアウトの時とは逆のキーフレームを打っていきます。
インのタイミングでは、Hz低く、徐々にHzを高めます

カットした音のタイミングにもよりますが、ブツっと鳴ってしまう時には、クロスフェードを適用します。

広がりのあるステレオが、集約されて、また広がっていくそんな表現がローパスで再現できました!

他にも何か手法がないかなと検索していると、VOOKの記事を発見しました。
Adobe Auditionを使ったテクニックではありますが、PremiereProからAuditionでクリップを編集できますので、非常に参考になるかと思います。
https://vook.vc/n/2424#

音への探求は続く!最後までお読み下さり有難うございましたm(_)m

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