とある現場にて、
LとRに異なるマイクを収音させているので、あとはよろしくね!
了解です!ところで、その音声は最終的にステレオになるってことですか?
いや、モノラルだよ?カメラ中央で人物が話しているからモノラルでないとおかしいよ?
む!?モノラルというのは、片方から聞こえる状態のことではないのですか?
あー、それは結構勘違いされているよね、
お恥ずかしながら、音響さんと話をするまで
モノラル = スピーカーの片方から音が聴こえる状態
ステレオ = 両方のスピーカーから音が聴こえる状態
と認識していました。
この認識が違うとなると、、、はたして、何をモノラルと呼び、何をステレオと呼ぶのか。そのあたりを深堀りしていきたいと思います。
この記事を読むと音響さんと話が嚙み合わなかったモヤモヤが晴れる事な違いなし!(多分)
はじめに~LRそれぞれに収音されたwavをシーケンスに読み込む為には~
モノラル・ステレオと関係ない項目ですが、編集 → MAさんにOMFを送る といった流れで進める場合、Premiere Pro上のシーケンス設定を事前に行っていなければ事故ります!!!
音響さんも実際に、事故っているケースを見るとおっしゃっていたので、この工程は事前確認がかなり重要になります。
シーケンスの設定方法については、過去記事にまとめておりますのでこちらをご参照ください。
モノラルとステレオの違い
本題です、モノラルとステレオの違いは、極論「音の広がりがあるか、それとも一点から音が聴こえるか?」です。
つまりは、2つのスピーカーから音が鳴っていてもモノラルと呼ぶことができます。
では、具体的になにがモノラルなのか?ベクトルスコープで視覚的に見た方が分かりやすいので、iZotopeのOzone imagerで説明してまいります。
iZotope Ozone imager:https://www.izotope.jp/jp/products/ozone-imager-v2/
モノラル
モノラルは、一点から音が聴こえる状態をモノラルと呼びます。
Ozone imagerで見ると下キャプチャのように中央に一直線の線が出ています。これは、中央のみから音が鳴っている状態を表しています。
【余談】音の出所を中央にするためのPAN設定
希に、マルチオーディオチャンネルで作成せずにLとRそれぞれ異なった音がそのまま流れている動画を見かけることがあります。LRにそれぞれ別の音声が入っている場合、マルチチャンネルの設定を行うのはマストですが、そのあとどのように中央にするのかというと、パンニングを「0(中央)」に設定します。
パンニング(PAN)とは、音像定位を変更する機能で、たとえば、L寄りに設定するとimagerはこのようになります。
中央からL寄りに線が出現しているのが分かります。
Premiere Pro上でPANをいじるには、作業ウィンドウを「オーディオ」に変更し、オーディオトラックミキサーに表示されているLとRのつまみをいじる事で設定変更できます。
ステレオ
一点直線のモノラルに対してステレオはどうなのか?まずはimagerをご覧ください。
一目瞭然ですね!音の広がりが見られます。ずばり、これがステレオです。
音楽など、LとRで異なって聴こえたり臨場感を味わう事ができるのはステレオならではの特徴ではないでしょうか。
モノラルとステレオの使い分け
音響さんと入った現場のように、映像の中心に人物がいて話をするといったケースでは、話し手が目の前にいるのに、中央から声が聴こえないと不自然になりますよね。だからこそ、音声はモノラルになる。という話でした。
ドラマや映画など、人物が右にいたり左にいたりする場合は、ステレオだそうです。(それはそうですよねw)
モノラルとステレオの勘違いが解けたところで、またひとつ大人の階段を登った気がしました(笑)